傾聴 活動
私たちは、2011年3月11日、東日本大震災に遭いました。全国から多くのボランティアの方が駆けつけてくれました。その中に心のケァボランティアの方も駆けつけてもらいました。大震災で家族を失い心に傷を負った方が多くいました。今も自分の将来に不安を抱える人たちも沢山います。そばに寄り添い、暖かい対話をすることによって心のケァの支援ができました。少し、心の安定を保つことができました。そして豊かな人間関係を築くことができました。人の話を「聴く」という行為が「傾聴」です。相手が今まで気づいてなかったことがいろいろ見えてきます。それが新たな生きがいを生み出し、明日の原動力に繋がるでしょう。傾聴ボランティアの支援が震災地に役立つと考えております。
アドボケート活動
21世紀の医療は、患者中心の医療(PCM:Patient-centered Medicine)の流れの中で病気を治療するだけではなく、患者さんの幸福と満足を追求することが医療の本質であると言われています。医療チームは、患者さんの立場に立って医療を実践すること。それを支援・促進することが重要であります。ところが、医師と患者さんの間には医療に関する専門知識と経験の差が歴然とあるから、患者さんは医師の言うことを素直に聞いていればいいのだという従来の「医師中心の医療」もあります。
最近、医療でさかんに提唱されているのが患者さんの自己決定権の問題です。医師にすべてを委ねていた「お任せ医療」から患者さんの判断を尊重した「自分の医療」に変わりつつあります。超高齢社会になり、疾病構造の変化と生活習慣病の増加等に関係しています。医療の専門知識がないため、治療に不安を感じる患者さんも多くなっています。また、自分では判断できないから医師の判断に任せた方が楽だ という患者さんもいらしゃいます。
意思決定をサポートするのも医師・看護師・薬剤師・検査技師・OT・PT等の医療スタッフの重要な役目なのです。医療パートナーと言うべきです。患者さんにエビデンス(科学的根拠)に基づいた最適な医療を提供できるように努めなければなりません。
私たちは、多くの事例を見て来ました。どんなに医療スタッフが患者さんのために最善を尽くしたとしても、患者さんやその家族が医療スタッフ・病院に対して不満や不信感を抱くことは日常茶飯事です。病気になっていることでより肉体的・精神的にも弱い立場に置かれています。患者さんは医療スタッフ・病院に対して直接不満や不信感を表明することは、現実にできないのが現状です。患者支援室(患者アドボカシー室)は、多くの病院で設立されています。しかし、病院職員は第3の立場でないのです。病院での医療は、不満・不信感で内在化していきます。
アドボケート(advocate)とは、自己権利を主張することが困難な弱者の味方となってその権利や利益を「守る」「擁護する」ために活動する人です。
「患者アドボケート活動」とは、患者さんサイドに立って、病院や医療チームと患者さんとを結ぶ調整役、パイプ役とも言えます。
第3者の立場で、患者さんサイドに立つ患者アドボカシー室を置くことで、病院(福祉介護施設)の積極的な患者支援の姿勢が明確になると考えています。さらに、この姿勢は、医師と患者さんの良好な関係を形成することに大いに役立つと考えております。